前回一般的なボタン回路の構造を1ボタン分だけ説明しましたが、実際のレバー回路はボタンが複数なのでこうなっています。
ひとつのGNDから分岐して複数のボタンへと繋がっている。 (注:本当はABCDのボタン線にそれぞれプルアップ抵抗も付きますが、図では省略しています)
このようにGND側は1本から分岐して全てのボタンに繋がっています。こういう風に共通して使用するのでGND配線は別名として「COM(COMMONの略。コモンと読む。共通の意味)」と呼ばれる場合もあります。
というわけで一般的には、
「ボタン配線のセンサーで無い側」=「電源のマイナス線」=「GND」=「COM」と呼ばれます。
呼び方がいっぱいあってややこしいですね。呼び方を統一しなかった奴を呪いましょう。呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪さて、ここまでで一般的なパッドの回路の説明は大体終わりです。続いて「一般的でない」回路だったはこまる有線パッドの回路説明です。まず最初に電源線がどこか調べました。これについては家庭用アーケードスティックスレまとめwikiの画像を参考に読み進めてください。
有線パッドはUSBで電力をもらって動いています。なので基板真ん中のケーブル4本生えたコネクタのどれか2本がプラスとマイナス線という事になります。USBケーブルの中身はどこのメーカー製でも大体この4色になっていて、赤がプラス黒がマイナス、緑と白は信号線と決まっています。多分なんか決まりがあるんでしょう。
マイナス線をたどると、基板大半を占める網状の配線に繋がっています。これがGNDです。
次に黄色い印がついた部分、これがパッドのボタン配線の片割れ、共通配線の「COM」なのですがGNDとはどうも繋がってなさそうです(画像では黄色枠をGNDと書いてありますがこれは間違ってます)。
試しに360パッドを本体に接続して電圧を測ってみました。
電源マイナス:0V
…ボタン線が0VでCOMが1.8V? 試しにボタンを押した状態で測定するとボタン線は1.8Vに上がりました。 一般的な回路とまるっきり逆で、普段0Vで押すとプラス線に触れる回路です。 以上の事から推測されるはこまるのパッド回路はこうです。
電源プラス:5V
GND:0V
COM:1.8V
ボタン線:0V
360パッドでは、ボタンを押すことでプラス線に触れる。 第1回の普通のパッド回路をそのまんま上下逆にした回路です。
この場合、1.8V線が全てのボタンの共通片割れ「COM」ということになります。ややこしいですね。さらに電源プラス線とも電圧が違うとか最悪です。マイクロソフトの開発者を呪いましょう。呪呪(以下略)ちなみにこういう時のマイナス線に繋ぐ抵抗の使い方は「プルダウン」と呼びます。
*** こ こ ま で の ま と め ***●普通のアーケードレバーではボタン線は通常+、押すと−になる。
●はこまるパッドでは通常−、押すと+になる。
●はこまるの共通配線はGNDではない。つまり、多機種用レバー回路に、はこまるパッドをいっしょに配線するためには360パッドとボタンの間に信号のプラスマイナスを反転させる仕組みを入れてやる必要があるわけです。次回以降はこの信号を反転させる回路についての説明に入ります。
ここまでOK?